おすすめ映画!【ロープ 戦場の生命線】死体を出す為のロープは見つかるか?

ヒューマンドラマ

ベニチオ・デル・トロ主演の『ロープ 戦場の生命線』。紛争が停戦した後のバルカン半島で、井戸の死体を引き上げようと、1本のロープを探すNGOの5人。思いもよらない出来事に直面しながらも、前向きに人道支援活動をする姿を描いた傑作です。『ロープ 戦場の生命線』のストーリー、登場人物、キャスト紹介とネタバレあり感想。

 

カモコです(^▽^)o

 

週末、新作レンタル開始になった作品をチェックしている時に、『ロープ 戦場の生命線』を見つけました。

 

「この映画は、私の好きな映画に違いない!」という予想通り、とても面白くて興味深い映画でした!

ベニチオ・デル・トロ主演ティム・ロビンス共演というのにも興味を引かれました(^-^)

 

『ロープ 戦場の生命線』は、基本的にはコメディです。しかし、ユーゴスラビア紛争が起こったバルカン半島が舞台で、紛争に巻き込まれた村の住人達の悲劇や、戦場で活動するボランティアが直面する困難など、社会問題も織り交ぜられています。(なので、コメディと言っても社会問題に鋭く切り込んだシニカルなコメディです)

 

ストーリーは、時にコミカルに、時にシリアスに、テンポよく進みます。ラストの意外な(?)オチまで楽しめますよ。カンヌ国際映画祭で、上映後に10分間のスタンディングオベーションを受け、絶賛されたということに納得です(^-^)

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『ロープ 戦場の生命線』作品情報

 

 

1995年のバルカン半島。ある小さな村の井戸に死体が入っている。“国境なき水と衛生管理団”であるマンブルゥは、汚染された井戸を浄化するために死体を引き上げようとするが、途中でロープが切れてしまう。村にロープはなく、マンブルゥと仲間たちはロープを探しに村を離れることになる。しかし、どこを探してもたった1本のロープが見つからない…。

 

 

原題:A Perfect Day (Un día perfecto)

監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア

脚本:フェルナンド・レオン・デ・アラノア、ディエゴ・ファリアス

ジャンル:ドラマ、コメディ

上映時間:106分

製作国:スペイン

スペイン公開日:2015年8月28日

日本公開日:2018年2月10日

 

ストーリー

 

1995年。バルカン半島。

山岳地帯のある村で、“国境なき水と衛生管理団”として人道支援活動をするマンブルゥは、井戸から男の死体を引き上げようとしていた。死体は死後12時間ほど経っているようだ。早めに死体を引き上げ、汚染された井戸を浄化しなければならない。

マンブルゥは死体にロープを括り付け、通訳のダミールが車で引き上げようとした…が、途中でロープが切れてしまい、死体はまた井戸の中に落ちてしまった。代わりのロープが必要だが、村には一本もなかった。

 

マンブルゥから連絡を受けた仲間のビーとソフィーも現場にやって来た。

マンブルゥは、国連軍の保安ブリーフィングに出席しなければならなかったため、ソフィーを連れて行くことにした。ビーがダミールを連れて、ドゥルシナでロープを探すことになった。

 

国連軍の拠点に移動する途中、マンブルゥの車の前に、突然男の子が飛び出した!慌ててブレーキを踏むマンブルゥ。車の前で倒れている少年・ニコラは、追いかけて来た4人の少年たちから古びたボールを取り上げられた。マンブルゥは止めようとするが、少年のひとりが銃を向けたため、ニコラを車に乗せて走り去った。

 

国連軍のブリーフィングが始まり、井戸の話題が出た。マンブルゥは、死体と汚染された井戸について説明するが、国連軍は水の浄化より地雷の撤去作業を優先すると言う。そこでソフィーは、井戸の死体に地雷がついていたとウソをついた。しかし国連軍の協力は得られなかった。マンブルゥは、上司の指示でカティヤというロシア人女性を基地まで送ることになった。実はカティヤはマンブルゥの元カノだ。

 

マンブルゥたちがニコラを送るため、ロープもボールも手に入らないまま村へ戻ると、水を売る給水車が来ていた。それを見たニコラは、なぜ井戸の中に死体が入っているのかマンブルゥに教える。そして、自分の家にロープがあるから取りに行こうと言う。

 

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登場人物/キャスト

 

◆マンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)

人道支援NGO「国境なき水と衛生管理団」のリーダー。

◆ビー(ティム・ロビンス)

マンブルゥの仲間。2台目の車”マイク2”を運転する。

◆ソフィー(メラニー・ティエリー)

マンブルゥの仲間で新人。

◆ダミール(フェジャ・ストゥカン)

マンブルゥたちの通訳を務めている現地人。

◆カティヤ(オルガ・キュリレンコ)

ロシア人女性。マンブルゥの元カノ。紛争審査分析官。

◆ニコラ(Eldar Residovic)

ボールを奪われた現地の少年。マンブルゥと行動を共にする。

 

 

『ロープ 戦場の生命線』感想

A Perfect Day – Official Trailer  © Fernando Marrero

 

映画の紹介記事を書く時は、製作国での上映日を調べて書くようにしてるんですが…この映画のスペイン公開日が”2015年”となっていたので、あれ?と思って、世界各国の上映年を見てみると、日本だけが2018年だったんです(;・∀・)

時々映画の公開日が日本だけすっごく遅れることありますよね…でも公開までに3年も差がある作品はあまり見ませんね。。傑作なのに、なぜすぐ来なかったんだろう~

 

コミカルでシニカルでシリアス

 

この映画は、シリアスなシーンとコミカルなシーンのバランスが上手く取れています。映画を見る私たちは、笑ったり、悲しくなったり、怒りを感じたり、微笑んだり、スッキリしたり色んな感情を感じることができます。

青ざめるほど悲しいシーンがあるけれど、その重さ・暗さは引きずらない。

逆に、あはは!と笑っちゃうシーンもあります。紛争地域で起こる「日常」は、私たちにとっては「非日常」で、そんなことが~(^^;)という驚きを交えた笑いです。

そして主人公たちが困難に対処した時の喜びに共感する笑いもあります。笑えるシーンも後を引きずることなく、さらりと次の展開に流れていきます。

上手く作られてます。面白い映画ですよ。

終盤に「あ~~!」となって、ラストは「あ~…ははは」となります。見ればわかりますよ~(笑)

 

仲間がバラバラなのがいい!

 

メインの登場人物たちは曲者ばかりで、彼らの性格はバラバラ、行動もバラバラ。

 

新人のソフィーの派手な言動に比べ、ベテランのマンブルゥとビーは、何があっても落ち着いています。落ち着いてるんですが、それは”できる男の落ち着き”ではないんですよね…(笑)

二人の表情はいつも「まあ、そんなこともあるさ」と、諦めにポジティブ思考が混ざった感じ。

リーダーのマンブルゥは勇敢に行動し、ニコラに優しさも見せます。頼りがいのあるいい男!と思いきや、途中から元カノのカティヤが加わると、女癖が悪いマンブルゥは気もそぞろになってしまったり。。

一番笑わせてくれるのが、ティム・ロビンス!

上記、ティム・ロビンスのところでも書きましたが、彼はちょこちょこコメディに出演していて、意外とコメディ得意です(^-^)”国旗とロープ”のシーンと、”牛”のシーンでのロビンスが面白い!!すっとぼけたおじさん役を見ごとにこなしました(^-^)

 

A Perfect Day – Official Trailer  © Fernando Marrero

 

一方、現地人で通訳をして手伝っているダミールは、ほとんど笑わず、辛そうな顔をしています。

そうすることで、外国人(部外者)であるマンブルゥたちと、地元民であるダミールの気の持ち方に違いがあることがハッキリわかります。地元民がどれほど苦しい思いをしているかは、ダミールが伝えてくれます。

 

ロープは果たして見つかるのか?

 

冒頭、マンブルゥは井戸の死体を引き上げようとしますが、途中でロープが切れて作業ができなくなります。村人に聞いても「ロープはない」という返事。仕方がないので、近くの町へビーとダミールが出かけますが、なかなか1本のロープが手に入りません。。

そうするうちに、色々な出来事に巻き込まれ、ロープさえあればすんなり済んだ仕事が、どんどんややこしい事になっていきます。

全てラストのオチでまとまります。

最後に、「見て良かったな」という気持ちにさせてくれる映画ですよ(^-^)

 

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『ロープ 戦場の生命線』感想:ネタバレあり

ネタバレ注意!以下は内容に触れた感想です。

 

マンブルゥたちが色々なことに巻き込まれ、行動するうちに、だんだんと地元の状況がわかっていきます。

 

物語のカギは、ロープと、牛とニコラのボールですね。

 

ニコラが教える驚きの事実

 

井戸に死体を投げ込んだのは、あの水を売ってる人たちだよ、と、ニコラがマンブルゥに教えるシーンは辛いですね。

子供のニコラが知ってるなら、大人たちも知ってるでしょうね…でも、水をお金で買っている。

ソフィーが「水にお金を取らないで!」と大声で訴えても、水を売る男はどこ吹く風。ソフィーが怒りを露にする横で、マンブルゥは諦めの表情です。

無力な貧乏人から金を巻き上げるヤツと、言われるままの地元民。

村人たちは争うように水を買います。疑問を持ったり、水を売る男に文句は言いません。。井戸を浄化しても、同じことをされてしまう可能性は高い。。

 

A Perfect Day – Official Trailer  © Fernando Marrero

 

重要アイテム:ロープとボール

 

ドゥルシナに着いたビーは小売店でロープを見つけますが、売ってもらえません。店主に「首を吊るために必要だから」と断られます。

果たしてこのセリフは、ニコラの両親が首を吊っていたことに繋がりがあるのでしょうか。。

 

この映画の背景を調べて書こうとしましたが、ユーゴスラビアの歴史と紛争はあまりにも複雑。ここで簡単に説明することはまず無理です。今回は、映画の内容に集中し、歴史上の事実は横に置いておくことにしました。

ロープを売ってもらえなかった後、ダミールが「彼らは敵で、死体を出したくないのか。彼らが入れたのか。ビーたちが外国人だから売りたくないのか」と言います。地元民のダミールでさえ理解できないのですから。

 

とにかく、ロープがいるのに、たった1本の、長いロープが手に入らない。。

 

結果的に、ニコラの両親が首を吊っていたロープを使うことになり、ストーリーにニコラが加わったことの意味と、ボールを探す意味がわかります。

悲しい出来事から得られたロープだけど、とにかくこれで一件落着…と思ったら。

国連軍にプチンと切られてしまいました。。

ここで、死体が落下する時に思わず「あーっ!」と声を上げてしまいましたよ(^^;)

 

しかし、ロープは無駄にならず。雨であふれた井戸に浮かんだ死体を、村人たちがロープを掴んで引き出すことに成功!そして、そんな展開になってるとはマンブルゥたちは知らないのです。なんて皮肉なんでしょう!あんなに苦労したマンブルゥたちが見てないところで、結果的に全てが役に立ったんです。

普段の私たちも、仕事をする時に「こんなことをしても無駄だ!」とか「どうせやっても成果はない」なんて諦めずにいれば、いつか自分たちの知らないところでそれが役に立つのかも知れないですね。

 

ビーは国旗を揚げるのに使っているロープを借りようとするシーンはコミカルで面白かったです!

 

影の重要人物はあの人!

 

この映画の「影の重要人物」は牛追いのおばあちゃん(・∀・)

マンブルゥやビーの移動時も(間接的に)助けてくれ、ラストでは村人を(関節的に)助けます。

地雷の大地を牛と共に悠々とあるくおばあちゃんの姿がなんとも言えません。。

「いちいち気にしてたらやってられないよ」と言いたげな後ろ姿が印象的です。

 

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この映画はコメディだ!

 

最初にも書きましたが、この映画は基本、コメディなんです。

公式サイトには、「衝撃と感動のヒューマンドラマ」と書かれていますが、英文のサイトには”コメディ”であることもしっかり書かれています。日本ではコメディが受けないし、戦争・紛争に関するものをコメディと書くと不謹慎な感じがするし、”感動のヒューマンドラマ!”の方が利益が出るから、などなどの理由でしょうね…

洋画は日本に来るとイメージが変えられてしまうんですよねぇ…もったいないと思う。

 

もちろん、「衝撃」もあるし「感動」もあります。紛争地域で起こる、人の生死に関わる問題を組み込んであるので、シリアスなシーンも多いです。悲しいシーンもあります。だけど、紛争地域の問題をシニカルに笑わせてくれるセンスの良さが、この映画のいいところで、評価されたところだと思いますよ。。

 

A Perfect Day – Official Trailer  © Fernando Marrero

 

それぞれが抱える思い

 

終盤、国連軍に死体の引き上げを止められたマンブルゥたちに、次の仕事が舞い込みます。

8000人が住む村のトイレが溢れてる…うー最悪。想像するだけでうぇーっとなる。。

だけど、ビーは気楽な表情で「楽勝さ」とさらりと言ってのけます。

「雨でさえなければね」

と言ったとたんに雨が降り出し…雨はどんどん激しくなっていく。

 

そこで「花はどこへ行った?」が流れだし、映画に登場した人々が映し出されます。

国旗の側にいた男も、ニコラの家の近所のおじさんたちも、捕虜になりかけた地元民たちも、みんな下を向いたり、空を見上げたり、それぞれに何かを思っています。

 

彼らは雨の中で何を思うんだろう。

 

瓦礫に埋もれた人の思いと、雨に流される昨日。

 

雨があがれば、明日が始まる。

 

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花はどこへ行った?

 

この映画のラストに流れる反戦ソング「花はどこへ行った?」。世界中のシンガーがアレンジして歌っているようですが、オリジナル版の、ピート・シーガーの動画を貼って終わります。。

Pete Seeger-Where Have all the Flowers Gone

 

ダミールの「外国人は戦争と共に来る」というセリフにはズキンとしましたよ。。

 

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キャスト紹介

 

ベニチオ・デル・トロ

 

ベニチオ・デル・トロの名前を知ったのは、『ユージュアル・サスペクツ』ですね、やっぱり。『トラフィック』などの社会派映画から『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『スターウォーズ』などの娯楽映画まで器用にこなす俳優になりましたね。彼の出演作で私が好きなのは『ボーダーライン』。アレハンドロは当たり役だと思います。

 

ティム・ロビンス

 

ティム・ロビンスと言えば『ショーシャンクの空に』が代表作ですよねー。他に『ミスティック・リバー』のような重く、暗めの作品の出演が目立ちますけど、コメディ作品にもたくさん出てるんですよ。

 

オルガ・キュリレンコ

 

オルガ・キュリレンコを初めて見たのは、忘れもしない…『マックス・ペイン』

『マックス・ペイン』は私にはつまらない映画でした…ヒロインが美人だった、という印象しか残らなかった映画です(^^;)

先月公開されたばかりの『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』にヒロインで出てるんですね。

 

「ハンティング・パーティ」がおすすめ

 

『ロープ 戦場の生命線』を見て面白いと思ったら、リチャード・ギア主演の『ハンティング・パーティ』がおすすめです!バルカン半島にあるサラエボが舞台の社会派ドラマなんですが、皮肉の効いた笑いと共にストーリーがスピーディーに進み、ぐんぐん引き込まれます。

紛争終結から5年後のサラエボで再会した元戦場リポーターのサイモンとカメラマンのダック。紛争取材中に大失態を演じてから行方をくらましていたサイモンは、ダックに重要戦争犯罪人フォックスについての情報を持ちかける。新米プロデューサーのベンも加わり、3人でフォックスの行方を追うことにした彼らだったが……。 映画.com

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