金さえあれば思いのまま【バッド・ジーニアス】感想と解説&タイ文化紹介

ヒューマンドラマ

カンニングに大金を払う金持ちの息子たち。金のために危険な橋を渡る秀才。スリリングな展開が面白い『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』タイに住んだことがある私のネタバレあり感想と解説。

 

カモコです(^▽^)o

大ヒットしたタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』をようやく見ることができました!

評判通り面白かったです(^-^)

バンコクに住んだことがあるので、タイ人の暮らしや文化的背景を思い出しながら映画を見ました。

今回は『バッド・ジーニアス』の感想とともに、タイ独特の文化や現代生活事情を解説します。

ネタバレを読みたくない人は「ネタバレ」と書いてる部分をとばしてくださいね(^-^)

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』作品情報

 

 

ジャンル:ドラマ、サスペンス
原題:ฉลาดเกมส์โกง(Bad Genius)
監督:ナタウット・プーンピリヤ
時間:130分
製作国:タイ
タイ公開日:2017年5月3日
日本公開日:2018年9月22日

 

あらすじ

 

 

小学、中学通してオールAの成績を取り、水泳大会で優勝するほど優秀なリンは、金持ちの子息が通うバンコク市内の進学校に転入する。

リンは、クラスでひとつ後ろの席に座るグレースと仲良くなる。グレースは明るく優しい女の子だが、成績はさっぱりだった。

リンたちのクラスで数学の中間テストが実施された時、答えがわからずに苦しむグレースを見かねたリンは、消しゴムに答えを書いてグレースに渡す。

カンニングで高得点を獲得したグレースは大喜び。

その後、グレースからリンの話を聞いたボーイフレンドのパットが、カンニングをビジネスにしようとリンに持ち掛ける。

成績の悪い金持ちの同級生を集めれば、かなりの大金になると計算したリンは、ピアノを弾く指の動きを使って、テスト中に答えを伝える方法を思いつく。

リンの答えをカンニングした生徒たちは好成績を修め、その噂を聞いた生徒たちがさらに集まってくる。

しかし、リンのカンニング方法にすらついていけないバンジョンは、もうひとりの秀才バンクに助けを求める。

バンジョンの話から同級生のカンニング行為に気づいたバンクは、そのことを先生に話す。

 

登場人物/キャスト

 

◆リンラダー(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)

通称リン。優秀な成績が認められ、進学校に転入する。

◆グレース(イッサヤー・ホースワン)

リンと仲良くなる同級生。成績が悪く、リンに助けを求める。

◆パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)

グレースのボーイフレンド。お金持ちのお坊ちゃん。

◆バンク(チャーノン・サンティナトーンクン)

リンと同じ奨学生。クリーニング店を経営する母と二人暮らし。

◆リンの父(タネート・ワラークンヌクロ)

教師。優秀な娘が将来留学できるように進学校に転入させる。

◆バンジョン

リンの同級生。

 

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『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』感想

画像引用:Bad Genius © GDH 559 Co., Ltd.

 

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』は、昨年大ヒットしたタイの映画です。

バンコクに数年住んだことのある私としては見逃せない一本だったんですが、やはりこの映画も地元の映画館で上映されることはなく、レンタル開始まで待たなければなりませんでした…(>_<)

 

映画の中の、鼻持ちならない金持ち学生に嫌悪感を感じる人は多いと思いますが、映画の中だけじゃありません。実際にいますよ、バンコクには甘やかされた金持ちの若者がいっぱい(-_-)

 

成績優秀なリンに目をつけたパットは、「カンニングさせてくれたら1人1科目3,000バーツ払う」とリンに持ち掛けます。

3,000バーツは約1万円で、日本でも安くはありませんね。でもタイと日本では生活水準が大きく違うので、タイでの1万円はかなり大金です。

おバカなボンボンのパットはその大金を「払う」とあっさり言うのです。

 

もともとリンは成績優秀なだけでなく、性格の良い正直な女の子だったようなんです。しかし成績が悪いのに金の力で入学した金持ちの同級生たちに毒されてしまい、不正行為に手を染めていきます。

 

リンが思いついた”ピアノ打鍵式カンニング”は、同級生たちのカンニングを成功させ、約束通り報酬が支払われます。

 

カンニングで集めたお金は、タイ人の一般家庭に生まれたリンにとってはかなりの大金のはずですが、自分の中の常識やモラルが消えてしまったリンの金銭感覚や罪悪感は麻痺してしまうのです。

 

そして、グレースやパットから依頼された、留学のための試験「STIC」でのカンニング行為にも手を出してしまいます。

 

最初リンは、国際的な試験であるSTICを相手にするのは難しいと思うのですが、大胆なカンニング作戦を思いつき、オーストラリアに行くことになります。

 

しかし、さすがに一人では手に負えないと感じたリンは、もう一人の秀才バンクに助けを求めます。

バンクは不正行為には絶対反対だったのですが、ある理由からリンとともに行動することを決意します。

 

後半は、秀才のリンとバンクがSTIC会場でカンニング作戦を実行し、ハラハラドキドキの展開となります。

 

常識やモラルはさておき、試験官にバレないようにSTICカンニング計画を進めるシーンは最大の見どころです(^-^)

 

まるでスパイ映画のスパイ活動のように華麗に動くリンを見てると、カンニングが成功しますように!と、リンを応援したくなってしまいます(笑)

 

果たしてリンはタイ国以外でもカンニング行為を成功させることができるのか?

カンニングで好成績を修めようとする金持ち子息たちの企みはうまくいくのか?

バンクまで巻き込んでしまうリンから”良心”は消えてしまうのか?

 

『バッド・ジーニアス』は、現代のタイの事情を背景にサスペンスフルなストーリーが展開する、面白い映画です。

映画を通してタイを知ることもできますよ。

くれぐれも、画面の向こう側は気温30度以上あることをお忘れなく(笑)

 

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ネタバレあり感想

以下ラストまでのネタバレあります。

 

 

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』は、映画館上映後に見た人たちが評価した通り、緊張感あふれる映画に仕上がっていました!

 

特に後半がスピーディに展開して面白かったです(^-^)

 

さすがに”ピアノ打鍵方法”は、「試験中にやたら手を動かせばいくらなんでも気づかれるだろう」とは思いましたが、最初の消しゴムカンニングと、後半のSTICでのカンニングは、思ったより現実的でドキドキしました。

 

私が驚いたのは、支払われる報酬の額!

 

タイに馴染みのない人は、バーツでいくらと言われてもすぐにピンとこないと思います。

 

分かりやすいように例を上げると、タイ人の大卒の初任給(月給)は、1万5千から1万8千バーツ。

1万5千バーツは、約5万円です。(2019年3月現在)

日本語や英語が堪能で、日系企業や外国企業に通訳として雇われる人でも初任給で2万バーツを超えるのは難しいんです。

 

パットがリンに提示した「ひとり1科目3,000バーツ」…3人払えば、もう大卒の月給に追いつきますね(>_<)

どれだけ高額の報酬なのかお分かりいただけると思います。

 

リンの家は広くて、きれいな家具が揃えてあったので、お父さんはそれなりに稼いでいるようです。お父さんはベテラン教師だから、月給は5~6万バーツくらいじゃないかなあと思うんです。

私の推測が当たっていれば、リンが稼いだ「23万4千バーツ」はお父さんの月給の4ヶ月分くらいになりますね。

学校以外の時間に一生懸命バイトしても稼げる金額ではないので、いつまでも隠してはおけなかったでしょうけれど。

 

グレースが、STICのカンニングを相談した時に「パットが60万バーツ払うって…」と言った時には思わず声が出ました!

それってタイで現地採用された日本人の「年収」ですよ(;゚Д゚)

 

自宅のプールで酒飲んで遊び、高級外車で通学するパットなら払えないこともないでしょうけど…嫌なガキですね~(>_<)

 

タイの金持ちのボンボンには思い出があるんです。

 

私のタイ人の上司は、まさに甘やかされた金持ちの坊ちゃんでした。

ある時、遠方に視察に行くと言い出したので、予定通り会社の車でマンションまで迎えに行くと、呼び鈴を鳴らした後に起きました。

彼はそれからゆっくりと食事して、着替えて…そして私と他のスタッフは1時間以上駐車場で待たされました(=_=)

もちろん謝ったりなんてしません。みんなが自分を待つのは当たり前という感じ。

 

その上司は、気が向くとスタッフを自分のオフィスに呼び出し、自分の自慢話を1時間以上話しました。仕事の話も途中から「俺はこれまでに何をした、これを作った、これを考えついた」と関係ない方向に変わり、ウンザリ。

最後は「キミも僕のようになりなさい」だって(-_-)

 

ある時、日本人の同僚とその上司の間にある出来事が起こりました。

同僚は「訴えたい」と言いましたが、別の上司が「あの人はかなりの金持ちなんだ。裁判しても負けるのは確実。ガマンするしかない」と勧めてました。

 

賄賂や社会的地位が有利なタイ。金持ちに勝てるのは、さらにお金を持ってる人だけです(=_=)

 

リンがバンクを説得する時に「バンク、私たちは生まれついての負け犬なのよ」と言いますが、それは現実でもその通りなんです。

庶民を”負け犬”と表現するのは言い過ぎですが、彼らが”勝ち組”になることはまずあり得ません。

タイ独特の思想や習慣があるからです。

タイにいて色んな人に会ううちに、「この国は庶民が成り上がってこないようにうまくシステムを作り上げたんだな」と実感しました。

 

頭が良く、進学校の奨学生になれたばかりのパットは、明るい未来を思い描いていたんでしょう。しかし、周りの金持ち同級生と自分の格差、そして人生の理不尽さに気づいた時、思い描いた明るい未来にヒビが入ってしまったのです。

 

ラスト、リンがカンニングを告白して、パットがどうなると思います?

留学はできなくなるかもしれない…でも、彼は父親の会社の重役になるでしょうね。席だけ置いて、普段は遊んでばかりの。

 

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映画の中のタイ文化紹介!

 

 

その他、映画に出てきたタイの生活や文化をご紹介&ご説明します(^-^)

 

●LINE

タイが身近ではない人は、「タイでもLINE使うんだ~」と、そこに軽く驚いた人もいると思いますが、タイでもLINEは無くてはならない存在です。タイでしか手に入らないタイオリジナルのスタンプもあるんですよ(^-^)

 

●バンコク

リンたちの学校の名前は「クルンテープ・タウィーパンヤー高校」。

クルンテープとは「バンコク」を意味します。

実は、正確には、

「クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」、の全部で「バンコク」です(^-^;

長すぎ…

 

●タイ語の発音

リンがピアノの弾き方でマークシートの答えを教えるとグレースやパットたちに説明するシーンで、リンが「ゴー、コー、コー、(レオゴー)ンゴー」と言います。

順番に「A、B、C、D」に相当する文字(ก、ข、ค、ง)をタイ語で言ってる訳ですが、タイ語は発音が超難しいんですよ…

2番目と3番目の「コー」の音の違いがわからない…(◎_◎;)

ちなみに、「お父さん」は「ポー(พ่อ)」で、リンのお父さんが出る度に「ポー」という言葉が出ますが、この「ポー」も難しいんですよね…

中国語は四声ですが、タイ語は五声。文法は簡単でわかりやすいんですが、発音が難しすぎ!

 

●バイクタクシー

リンたちがオーストラリアで受験している時、タイではパットたちが試験会場に行くためのバイクタクシーを待機させてました。

私もよく利用しました(^-^)

バンコクは世界一渋滞がひどいので、タクシーに乗るよりバイクタクシーを利用した方が目的地に早く着きます。しかも安い!

ただし、事故も起こりやすいので、利用するなら全て自己責任です。

バイクが転倒して怪我しても、最悪現場に置いて行かれるでしょう。運転手は逃げちゃいますから(・∀・)

私は徒歩で1時間弱の距離を利用する時に40バーツくらい払ってました。

パットは500バーツも払ってましたね…試験会場までの距離はわからないけれど、500バーツなら1日の稼ぎ以上でしょうね。。

 

●気温

映画を通して私たちは外国を知ることができますが、絶対に伝わらないのが「温度」と「臭い」。

バンコクの日中の気温は30度以上です。

出演者たちみんな外のシーンでも涼しい顔してるけど、私たちがバンコク行ったら1分で汗だくです(笑)

バンクの家庭くらいだと家にエアコンはないかもしれません。。

 

『バッド・ジーニアス』を見てタイに興味を持った方、ぜひタイを訪ねてみてください(^o^)丿

賄賂とか階級とか貧富の差とか、嫌な面もありますが、タイは面白い国ですよ~

タイ料理はおいしいし、市場では色んなものが安く売られているし、貧しくても逞しく、しっかり生きてる庶民の姿を見ることができますよ!

 

『バッド・ジーニアス』をさらに楽しむために!こちら↓の記事に、タイの文化や生活習慣をまとめてます。

【バッド・ジーニアス 危険な天才たち】映画をより楽しむためのタイ情報
タイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』がついに日本に上陸します!タイの文化や生活の現状を把握してから見ると数倍楽しめると思います。タイ文字、貧富の差、タイ人の名前など、タイの実情をご紹介します。

 

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