【ドゥ・ザ・ライト・シング】スパイク・リー主演・監督映画…人種はそんなに問題か?

ヒューマンドラマ

スパイク・リー監督・出演の『ドゥ・ザ・ライト・シング』個性的な登場人物とコミカルなセリフで笑わせながらも、人種問題への強いメッセージを発する名作。あらすじ、登場人物、キャスト紹介とネタバレあり感想&考察。

 

カモコです(^▽^)o

スパイク・リーが監督・主演した映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』。

人種差別主義者の活動が活発になっていると報じられる現代アメリカに、人種差別問題は深刻であり、差別主義者を許してはならないと強く訴える作品です。

 

人種差別によって起こる悲劇や、被害者の怒りをストレートに表現し、問題提議し続けるスパイク・リー。彼の映画には、観客の心を揺さぶり、目を開かせる、力強いメッセージが込められています。

 

今回は、スパイク・リーの初期の名作『ドゥ・ザ・ライト・シング』をご紹介します。

スポンサーリンク

『ドゥ・ザ・ライト・シング』作品情報

 

ジャンル:ドラマ、コメディ
原題:Do the Right Thing
監督:スパイク・リー
時間:120分
製作国:アメリカ
アメリカ公開日:1989年6月30日
日本公開日:1990年4月21日

 

あらすじ

 

酷暑が続くニューヨークのブルックリン。

ローカルラジオのDJ”愛のダディ”が「みんな起きろ。今日も張り切って行くぞ」とマイクから住民に呼びかける。

ピザ屋のオーナーのサルは、息子二人と共に出勤し、店を開ける。

”市長”と呼ばれる老人は、韓国人夫婦が経営する小店でビールを買い、道端で喉を潤す。

その”市長”に「うちの前でビールを飲まれると目障りだ」とマザー・シスターが文句を言う。

サルの店で働くムーキーは遅刻し、ムーキーの妻は母親が息子を預からないと言ったことに腹を立てる。

バギン・アウトは、サルの店の壁に黒人の写真が一枚もないと文句を言う。

うだるような暑さの中、いつものように暮らす人々。

みんな不平不満を漏らしながらも、そんな日常が繰り返されると思っていた。

ある事件が起こるまでは。

 

スポンサーリンク

登場人物/キャスト

 

◆ムーキー(スパイク・リー)

◆サル(ダニー・アイエロ)

◆ピノ(ジョン・タトゥーロ)

◆ヴィト(リチャード・エドソン)

◆愛のダディ(サミュエル・L・ジャクソン)

◆市長(オジー・デイヴィス)

◆バギン・アウト(ジャンカルロ・エスポジート)

◆ラジオ・ラヒーム(ビル・ナン)

◆マザー・シスター(ルビー・ディー)

◆ジェイド(ジョイ・リー)

◆ソニー(スティーヴ・パーク)

 

 

『ドゥ・ザ・ライト・シング』感想

 

久しぶりに見ました!『ドゥ・ザ・ライト・シング』!

 

やっぱり面白いです\(^o^)/

登場人物みんなが個性的で、中盤までの彼らの”いつも通りの日常”を見るだけでも十分楽しめます!

 

この映画、ずいぶん前に見たので詳しい内容を忘れてしまっていました。それに、先日見た『ブラック・クランズマン』がとっても気に入ったので、『ドゥ・ザ・ライト・シング』を今あらためて見てみようと思った次第です。

 

映画の舞台は、酷暑のブルックリン。画面から熱気を感じます。みんな暑そう。

暑くて、暑くて嫌になる…タイに住んだことがあるので、その気持ち、よ~くわかりますよ。

 

若者たちが道路の消火栓を勝手に開けて、勢いよく噴き出す水で水浴びして騒ぐシーンがあるんですが、そうしたい気持ちがよくわかります(^-^;

消火栓で遊んじゃダメですけど、そんなことでもしなきゃやってられないんですよね。暑すぎて。

(だからタイではソンクラーンの時に水を掛けあうんですよ)

 

そんな真夏のブルックリンで、住人たちはお互いに文句ばかり言って、時には小競り合いもします。だけど、それも日常化していて、愚痴や不満を口にはするけれど、「まあそんなもんさ。これが俺たちの日常さ」とばかりに割り切って暮らしているんです。

 

この映画にはたくさんの人が登場しますが、ストーリーの中心となるのは、イタリア系のサルが経営するピザ屋。

 

そのピザ屋で黒人のムーキーが働いていて、お客さんのほとんどは地域住民である黒人たちです。

 

黒人が集まるピザ屋のオーナーは白人のサルで、その向かいには韓国人夫婦が経営する小店があるんです。

 

サルも彼の息子たちも、黒人を差別したりはしてないんですが、ちょっとした出来事が黒人たちの普段の不満を爆発させてしまい、ピザ屋を中心とする暴動にまで発展してしまうのです。

 

クセの強い登場人物たちは、実際に近くにいたら面倒くさそうですが(笑)、映画の登場人物としては魅力にあふれてますよ。

 

若きスパイク・リー演じるムーキーは、妻と赤ん坊がいるのに、真面目に働かないし、将来のことを真剣に考えてない。

イタリア系のサルは、もう大人なのに子供みたいな意地の張り合いをする二人の息子ピノとヴィトに頭が痛い。その上、客として来るバギン・アウトはちゃんと支払わないうえに店の装飾のことで騒ぎ出す。

”市長”というあだ名を持つ”市長(メイヤー)”は、毎日のようにマザー・シスターに小言を言われる。

小店を経営する韓国人夫婦は、無礼な態度の客にうんざり。

町を見回る巡査たちは、住人たちの行き過ぎたいたずらや、その界隈では”たいしたことない”出来事を大事件のように訴えるヤツを相手にしない。

 

そして、そんな住人たちの生活に愛と音楽で潤いを与えるDJ”愛のダディ”が『ドゥ・ザ・ライト・シング』の進行役です。

 

中盤までは、笑えるシーンとセリフありの楽しい展開です。しかし、後半は人種問題が中心となり、ちょっと過激な展開となります。

『ブラック・クランズマン』でみせた”スパイク・リーらしさ”の原点とも言える展開です。

 

『ブラック・クランズマン』を見た人も、まだ見てない人(公開された劇場が少ないらしいですね)も、まだ『ドゥ・ザ・ライト・シング』を見たことがなかったら、ぜひ「今」ご覧ください。

 

人種差別主義者の問題に悩まされる今だからこそ、スパイク・リーの訴えたいことがよくわかりますよ。

 

『ドゥ・ザ・ライト・シング』はAmazonプライムビデオで配信中。プライム会員なら無料視聴できますよ(^^)/

 

スポンサーリンク

『ドゥ・ザ・ライト・シング』ネタバレあり感想

画像引用:”Do the Right Thing” Trailer ©Universal Pictures

 

以下ネタバレあります。視聴後にご覧ください。

 

今年のアカデミー賞授賞式で「ドゥ・ザ・ライト・シング!」と発言したスパイク・リー。

 

この映画は1989年の作品で、スパイクは「Do the right thing! 正しいことをやれ」と30年も前から訴えてる訳ですね。

 

『ドゥ・ザ・ライト・シング』が公開されてからもう30年も経ったのか、と、時の流れの速さに驚きますが、

ムーキー役のスパイク・リーを見ればそれだけの月日が経ったと実感。

 

画像引用:”Do the Right Thing” Trailer ©Universal Pictures

 

スパイクの若々しいこと!

今でもスパイクはイケてますけど、若い頃はかわいいですね~(*^▽^*)

 

そして、DJ役のサミュエル・L・ジャクソンも若い!そしてカッコイイ!

 

画像引用:”Do the Right Thing” Trailer ©Universal Pictures

 

サミュエルの声と話し方が大好きなんですよね~

サミュエルのDJいいなあ。。似合ってる!

 

さて、『ドゥ・ザ・ライト・シング』の後半で小規模な暴動が発生し、サルの店は焼け崩れてしまいます。

 

発端は「ささいな事」だったのに、それがいつしか「事件」になり、誰も予想しなかった「暴動」(規模は小さいですが)にまで発展してしまう。

 

そもそもの原因は「人種」に対する不満と偏見です。

 

アジア人の店にビールの”ミラー”が置いてない、

白人のくせにうちの黒人の妹に色目を使う、

黒人の町にあるのに、壁に黒人有名人の写真がない、

親父も弟も白人のくせに、黒人スタッフに気を許しすぎてる、

黒人が店の中で大音量で音楽を鳴らすのがうるさい、

アジア人には英語が通じない、英語が話せない、

 

…と、日頃からみんな他人を「人種」で区別しては不満を募らせていた訳です。

 

悲しいことに登場人物のほとんどが、縄張り意識が強くて、他人を「敵か味方か」で分けてしまう

 

つまるところ「人種」にこだわっているのは自分たち自身なんですよね。

「俺たちは黒人だ」「俺たちは白人だ」「俺たちはアジア人だ」と、自分たちの人種にこだわり、「お前は黒人だ」「お前は白人だ」「お前はアジア人だ」と他人の人種を見下そうとする。

 

なぜ人は「人種」にそうまでこだわるのか。

 

国民性の違いについて、ちょっとした皮肉を言うくらいは、別にいいと思うんですよ。

例えば「インド人は香辛料くさい」とか「日本人は意見が言えない」とか「イギリス人は料理がヘタクソ」とか「アメリカ人はでかい声で話してうるさい」とか。

 

本気で蔑むんじゃなくて、「〇〇人って、こうよね~」という、冗談がメインの皮肉は許されると思います。

 

しかし、「人種」で人を見下し、人を憎み、人を痛めつけようとするのは、間違っています。それは断言できます。

 

『ドゥ・ザ・ライト・シング』も『ブラック・クランズマン』も、人種問題がテーマになってますが、『ドゥ・ザ・ライト・シング』の方は黒人も悪いんです。

 

ラストの暴動は、黒人のムーキーの一投が原因で、ムーキーはスパイク・リーが演じています。

 

せっかく”市長”が「もうやめろ」とみんなをなだめて終わらせようとしたのに、なぜそこでゴミ箱を店に投げる(-“-#)

 

画像引用:”Do the Right Thing” Trailer ©Universal Pictures

 

冷静に考えれば、サルは悪い人じゃなかったはずなのに。

 

ムーキーがサルの店に怒りをぶつけると、周りのみんなが一気に暴徒と化してしまう。

 

確かにラジオ・ラヒームが殺された(ホントに死んじゃったのかしら)のは行きすぎだったけれど、もともとはラジオ・ラヒームとバギン・アウトが「壁に黒人の写真を掛けろ」と激しく抗議したことが原因です。

 

サルが怒ったのも、ラジオ・ラヒームが店内で音楽を大音量で流したから。

 

サルや息子たちが黒人客を叩きのめしたとか、黒人は出て行けと追い出したとか、じゃないんですよね。

 

軽い差別意識はあったものの、黒人住民たちは「あそこのピザはうまい」と思ってたし、サルも息子たちも地域のお客さんたちにそれなりの愛情はあったはずです。

 

それなのに、暴動にまで発展してしまった。

 

冷静になれば、そんなことする必要がなかったと思うはず。

これまでお互い上手くやってたのにね、と思うはず。

 

 

ラストの、DJ愛のダディの語りがまた皮肉に満ちてます。

 

「(本物の)市長が昨夜の騒ぎを調査して、同様の事件の再発防止に取り組むと言っている」と言った後、

「選挙が近づいてるよ」と続けます。

 

市長は本当にあの暴動が問題だと思ってるのか。それとも選挙前のアピールか。

 

その後に「今日の言葉は”涼しさ(チル)”だ」と言います。

 

チル(chill)という言葉を使ったのは、「涼しさ」という意味と同時に、「頭を冷やしな」という意味でもあるんでしょう。

 

人を「人種」で区別して、「人種」のことでカッとなる前に、take a chill pillしなよ。

そしたら右手「LOVE」が左手「HATE」をロープ際に追いつめて、最後は右手がKO勝ち!

 

暴動を起こす原因を作ったムーキーは、翌日の朝、何事もなかったかのような顔をしています。

 

暴動に参加した住民たちは、何事もなかったかのように店の前を通り過ぎます。

 

何事もなかったように振舞える程度のことだったら、何事も起こらなくても良かったんじゃないかな。

暴動まで起こす必要あったのかな。

 

昨晩は、左手が右手にKO勝ちだ…。

 

Amazonプライムビデオで視聴できますよ。

 

ブラック・クランズマン』の記事もどうぞ(^-^)

【ブラック・クランズマン】禍MAGAしい現状を打破する一撃となれ!!感想&解説
【ネタバレ感想&解説】人種差別主義集団KKKに新規入会した男。その正体は黒人とユダヤ人ふたりの警官が演じるニセの白人至上主義者”ロン・ストールワース”だった!スパイク・リーが実話を脚色・映画化...

『ブラック・クランズマン』は公開されている劇場が少ないとのことですが、たくさんの人に見て欲しい作品です。

 

キャスト

 

ダニー・アイエロ

 

サル役のダニー・アイエロが印象的な作品といえば、『レオン』ですよね、やっぱり。

レオン 完全版 (字幕版)
Amazon.com Int'l Sales, Inc.

ダニー・アイエロが演じたトニーは、唯一、レオンのことを親身に思ってくれた人でした。

 

ジョン・タトゥーロ

 

ピノ役のジョン・タトゥーロ。個性派俳優で、どの役をやっても印象的ですよね~

タトゥーロ出演の好きな作品は、『ビッグ・リボウスキ』と『クイズ・ショウ』と『ラウンダーズ

『ビッグ・リボウスキ』のジーザス役が一番好きです(*^▽^*)

 

ジャンカルロ・エスポジート

 

バギン・アウト役のジャンカルロ・エスポジートは、ジョン・ファブロー監督の『ジャングル・ブック』でアキーラの声を担当しました。

最近では、『マネー・モンスター』や『メイズ・ランナー』シリーズに出演しています。

 

ビル・ナン

 

ラジオ・ラヒーム役のビル・ナンは、トビー・マグワイアの『スパイダーマン』シリーズに出演してます。ロビー・ロバートソン役です。

 

タイトルとURLをコピーしました