戦慄!【蠅の王】少年たちは無秩序な獣となり暴走する

ゴールディング原作の『蠅の王』には誰もが戦慄を覚えます…無人島に漂着した少年たちが理性を失い暴走するという、ホラー映画よりも残酷で怖ろしい物語。あらすじとネタバレ感想です。

カモコです(^▽^)o

1991年に日本公開された『蠅の王』という映画を見たことがありますか?

アメリカ陸軍幼年学校の生徒たち24名が飛行機事故にあって、無人島に漂着するのですが、大人はひとりしかいません。

最初は不安を感じる少年たちですが、だんだん自由な生活が楽しくなっていきます。

少年たちは2つのグループに分かれてしまうのですが、あることから対立し、行動に歯止めがきかなくなっていきます。

そして、平気で怖ろしいことをするようになります…

ホラー映画より怖い!人間の心の闇を描く『蠅の王』をご紹介します。

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『蠅の王』基本情報

基本情報

原題:Lord of the Flies
監督:ハリー・フック
脚本:サラ・シフ
ジャンル:ドラマ
上映時間:90分
製作国:アメリカ
アメリカ公開日:1990年3月16日
日本公開日:1991年6月15日

登場人物

◆ラルフ(バルサザール・ゲティ)

無人島に漂着した少年たちのリーダーとなる。希望を失わず、救助を待とうとする。

◆ピギー(ダニュエル・ピポリー)

まじめでラルフの参謀的存在だが、発言してもからかわれる。唯一、眼鏡をかけている。

◆ジャック(クリス・フュール)

少年たちの中で一番年上。問題児だったジャックは、好き放題できる島の生活に満足する。

◆サイモン(ジェームズ・バッジ・デール)

発光棒を持って洞くつに入り、機長の遺体を発見する

ラルフ(右)とジャック(左)

© 1990 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

『蠅の王』前半のストーリー

アメリカ陸軍幼年学校の男子生徒が乗った飛行機が事故を起こし、太平洋に墜落。

救助ボートに乗った少年たちは無人島に漂着する。

© 1990 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

大人は、口を利くことも体を動かすこともできない程の重傷を負った機長ひとり。

少年たちは浜辺で寄り添い、夜を過ごす。

翌朝、年長のラルフが少年たちを集め、基地づくりを提案。

救助されやすいよう、のろしを上げることも決定する。

少年たちは枯れ木を集め、ピギーの眼鏡を利用して火をつけた。

のろしが絶えないよう、当番が見張りをすることになった。

少年たちは漠然とした不安を抱えているが、まだ幼いため、海や山で遊ぶように暮らすことを楽しむ。

リーダーのラルフとピギーだけは、集団生活の規律を作り、秩序を保とうとするが、少年たちは耳を貸さない。

心配するラルフと反対に、大人の目の届かない環境に満足するジャックは、救助を望むことは難しく、島で生きていくことを受け入れた方がよいと主張する。

ある日、海上を飛ぶヘリコプターを発見したラルフたちは大声を上げ、手を振るが、ヘリコプターから気づかれた様子はない。

ラルフが急いでのろしの場所へ行くと、火が消えていた。

のろしの当番がジャックと共に豚を狩りに出かけてしまったせいだった。

見張りを怠ったことを非難するラルフに、ジャックが反発。

自分たち”狩猟隊”はラルフの指図を受けず、行動を別にすると言い放つ。

そしてジャックに賛同する者は、ジャックと共に森へ入っていってしまった…。

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原作紹介

原作はウィリアム・ゴールディングです。

蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)
ウィリアム ゴールディング, William Golding
Amazon.co.jp

学校の図書室にいけば必ずある名作です(^-^)

小説は映画よりもっと暗くて重いです…興味のある方、ぜひ読んでみてください。

見どころと感想

キャストにすごい人発見!

まず、ラルフ役のバルサザール・ゲティ

ん?ゲティ

と思った方。

ゲティ家の身代金』という映画を見ましたね!?

ゲティ家の身代金(字幕版)
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バルサザールくんは『ゲティ家の身代金』で誘拐された、ジョン・ポール・ゲティ3世の息子さんです(*º ロ º *)!!

最近では、テレビドラマの「Hawaii Five-0」や「ツインピークス(2017)」に出演しているそうです。

そして、サイモン役のジェームズ・バッジ・デール

『蠅の王』が映画デビューで、その後着実にキャリアを積んで、『ディパーテッド』『アイアンマン3』『ザ・ウォーク』『オンリー・ザ・ブレイブ』に出演。

NETFLIXの『スペクトル』では主演を務め、『ホールド・ザ・ダーク』にも出演しています。

バーノンとメドラの衝撃の秘密が原作に記されていた!獣の因縁を背負う男と闇を抱く女。ラストが意味するものとは?ダーク・スリラー『ホールドザダーク そこにある闇』あらすじ、キャスト紹介、ネタバレ感想。

秩序が崩れていくところからじわじわと怖くなる

ラルフとピギーは、ほら貝を使うことで、集団を統率しようとしますが、自分勝手なジャックに対しては、ほら貝は何の効果もありません。

リーダーというよりはガキ大将タイプのジャック。

怖いもの知らずで、縛られることを嫌い、常に刺激を求めます。

© 1990 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

ラルフの言うことが安心で安全なのですが、少年たちは強気のジャックに魅力を感じるのです。

唯一の大人の機長は寝たきりで、指導する者、叱る者がいない世界

少年たちの心のタガは外れ、だんだん野性的な欲望がむき出しになります

※以下、ネタバレあります※

暴走する少年たち(ネタバレ)

狩猟隊となったジャックと少年たちは、島に生息する豚狩りを始めます。

ボディペイントを施し、獲物を追うことに大興奮する少年たち。

捕らえた豚を殺すことで理性を失っていきます。

少年たちは、避難具である発光棒を1本持っているのですが、ある夜、少年のひとり・サイモンが発光棒を持って洞くつへ行き、機長の死体を発見します。

サイモンは急いで皆の元へ戻ります。

ちょうどその時、ジャックたちは焚火を取り囲み、仲間のひとりを獲物に見立てて追う遊びをしていました。

緑色に光る何か(サイモン)が自分たちの方へ近づいてくるのを見たジャックたちは「本物のバケモノだ!」と叫び、手にした槍でサイモンを襲います。

ハッと気がつけば、体中に穴が空いたサイモンが横たわっていました。

子供とは言え、ボディペイントして、火の周りを踊るジャックたちの姿にはぞっとさせられます(; ̄Д ̄)

その後の”獲物を追う遊び”では、ハイ状態になり、誰にも制御できない有様なんです。

見ていて吐き気を感じるほどの興奮状態になった少年たちが、サイモンを指さし、サイモンの方へ走る場面は、ホラー映画よりも怖ろしい…背中に冷たいものが走ります…。

無秩序がいかに人を狂わせるか…怖ろしいのはバケモノより人間ですね(=_=)

次の犠牲者(ネタバレ)

© 1990 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

無人島での生活を難なくこなすジャックですが、唯一、彼ができないことは、火を起こすこと。

火が無ければ肉を焼いて食べることができません。

火が起こせるのは、ピギーの眼鏡を持つ者だけです。

そこでジャックはピギーの眼鏡を盗みます。

ラルフは「火が欲しいなら頼め!」と怒りますが、ジャックは「誰が頼むか!」と反発。

ピギーだけは、冷静に話し合おうとします。

「眼鏡がないと見えないんだ。火は分けるから眼鏡を返して欲しい」

そして「子供のままじゃだめだ。分別を持とう」と静かに訴えますが、崖の上にいた少年たちがピギーの上に大きな岩を落としてしまいます。

岩はピギーの頭を直撃。

ピギーは血を流して死んでしまいます。

子供たちがピギーをからかうように殺した場面も怖ろしいのですが、さらに怖ろしいのは、ラルフがひとりになったことです。

周りの全員が”敵”となった瞬間でした。

ラルフがひとりになったことで、少年たちはさらに暴走。さらに怖ろしい事態へと発展します…。

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ラストをどう受けとる?(ネタバレ)

『蠅の王』を見た人は、ラストの後、しばらくその先のことを考えてしまうでしょう。

無秩序状態になった少年たち。

仲間を殺しても平気なジャック。

島でたったひとりの”人間”となったラルフ。

ラストで子供たちはどう思ったのか。

ラストシーンが象徴するものは何なのか。

誰かを「憎め!」と声を上げる人がいて、それに同調する人たちは、次第に興奮状態に陥り、憎しみはさらに激しさを増します。

現大統領のツイートを見ていると、今のアメリカはこの映画の状態に似ていると思わざるをえません。。。どうか人々が冷静でありますように。

『蠅の王』、心にずしんときます。

おすすめです。

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