【ネタバレ感想】スティーヴン・キング原作の傑作スリラー「ミザリー」!事故で重傷を負った人気作家が狂ったファンに監禁される。作家は隙をついて逃げようとするが…あらすじ、キャスト紹介とネタバレ感想。原作との違いも解説。
カモコです(^▽^)o
スリラー映画『ミザリー』…何度見ても怖ろしい…
アニーを演じたキャシー・ベイツの怪演に息を飲みます…
あらすじや感想と、スティーヴン・キングの原作との違いもご紹介します。
「ミザリー」基本情報
原題:Misery
監督:ロブ・ライナー
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
ジャンル:スリラー
上映時間:108分
製作国:アメリカ
アメリカ公開日:1990年11月30日
日本公開日:1991年2月16日
「ミザリー」登場人物
◆ポール・シェルダン(ジェームズ・カーン)
ベストセラー・ロマンス小説「ミザリー」の作者。雪山で事故を起こし、アニーに救助される。
◆アニー・ウィルクス(キャシー・ベイツ)
山中の一軒家にひとりで住む中年の女性。ロマンス小説の主人公、ミザリーの大ファン。
◆バスター(リチャード・ファーンズワース)
シルバー・クリークの保安官。高齢だが経験があり、勘が効く。
◆マーシャ・シンデル(ローレン・バコール)
シェルダンの出版エージェント。「ミザリー」を終了させ、新作に挑戦するシェルダンを応援する。
「ミザリー」あらすじ
ベストセラー・ロマンス小説「ミザリー」の作家、ポール・シェルダンは、新たな執筆に取り組むため、「ミザリー」を完結させることを決意する。
その後、新作小説を書き上げるため、コロラド州シルバー・クリークにある雪山のロッジに籠る。
後日、ついに小説が完成。いつものようにドンペリと1本のタバコで乾杯する。
ロッジを後にしたシェルダンは、車で雪山を下山するが、雪でタイヤが滑ってしまい、大事故を起こしてしまう。
大怪我を負い、車の中で意識が朦朧とするシェルダン。
そこへ通りがかった女性が車のドアをこじ開け、救助する。
気がつくと、シェルダンは、アニー・ウィルクスと名乗る女性の家のベッドで寝ていた。
事故のせいで体中に大怪我をしている。特に両脚の骨折が酷く、体を動かすことができない。
痛みに苦しむシェルダンをアニーは献身的に介護する。
アニーは「ミザリー」の大ファンで、シェルダンのことも良く知っていた。シェルダンを自宅で看護することに喜びを感じているようだった。
シェルダンはエージェントに電話して状況を伝えるよう、アニーに頼むが、アニーは電話が通じないと言う。
シェルダンがアニーの家で休んでいる間に、”最後”の「ミザリー」が出版される。
その最新刊を手に入れたアニーは、うれしそうにシェルダンに見せた後、本を読み進める。
後日、シェルダンの前に姿を見せたアニーは陰鬱な表情を浮かべていた。
アニーは新刊を読み終わり、ミザリーが死亡したことを知ってしまったのだ。
大好きなミザリーが「殺された」と憤るアニーは、その後態度を一変させる。
原作紹介
「ミザリー」はスティーヴン・キングの小説の傑作の1つ。
映画もとても面白いんですが、108分の映画より、約500ページの原作の方が恐怖が深いです…読んでいるとアニーが後ろに立ってるんじゃないかと思うくらい、アニーの狂った世界に引き込まれます。
私が購入した時は、上の最新版より味のあるイラストでした。
帯を見たら「映画化!」と書いてある…じゃあ、買ったのは映画化する前だったのかも。
映画の煽り文句が「恐怖の大女がゾクゾクさせる!」とあります(笑) B級ホラー並みのコピーですね(^^;)
細かい演出がストーリーを盛り上げる!
小説の最後でミザリーが死ぬことを知ったアニーは、無理やり「ミザリー」の最終巻を書き直させます。その為に中古のタイプライターを買ってくるのですが、「n」が欠けているため、きれいにタイプできないんです。
キングのオリジナル(英語版)小説は、そのタイプライターを使って書いた原稿の部分になると「n」が手書きされるという手の込みようでした。
もちろん、日本の翻訳版(文春文庫)も同じように「n」を使うところが手書きなんです。
拡大して見てもらうとわかりますが、シェルダンの「ン」は手書きになってますよね(^o^)
「n」を使うナ行とンが全部手書きなんですよ~
当時では大変な作業だったと思いますが、この工夫のおかげでリアルに感じることができました!
「ミザリー」見どころと感想(ネタバレ)

…キャシー・ベイツが怖い…(; ̄Д ̄)
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どこにでもいる普通のおばさんが、あることをきっかけに態度を豹変、狂気の側面が露呈し、主人公に襲いかかる。
今では使い古されたスリラーの定番ですが、『ミザリー』が公開された時はまだまだこのテのスリラーは少なかったので、アニー・ウィルクスを見た観客は凍りつきました…
アニーがミザリーが死んだことを知る前から鬱の部分がチラチラと出てきます。
暗く沈む表情や、突然キレる様子を見ていると、彼女に対する不安や不信感が少しずつ増していきます…
映画のほとんどの部分に登場するのは、シェルダンとアニーの二人だけで、アニーの家は雪深い山の中の一軒家です。
その一軒家の、さらにひとつの部屋にシェルダンは隔離されています。
登場人物が少ないことから、映画を見ている私たちはだんだんとシェルダンに自分を重ねてしまいます。
そして、ミザリーが死ぬことを知ったアニーが狂気を噴出させた時、いつの間にかシェルダンに同調している私たちは心底恐れおののくことになるのです!
She can’t be dead, MISERY CHASTAIN CANNOT BE DEAD!

原作との違い ネタバレ
原作の方が3倍怖いです(ㅇㅁㅇ;;)!
映画のアニーは、原作のアニーからすれば、まだまだ手ぬるい!!
原作では、アニーは序盤からシェルダンを苦しめます。
シェルダンは全身を痛めているので、痛み止めなしではいられません。
痛くて気が狂いそうなシェルダンを、アニーはじらし、なかなか薬を与えないんです。
シェルダンが痛みに苦しむシーンが何度もあって、そこを読むたびに自分の体も痛くなります(>_<)
そして映画『ミザリー』最大の見どころである、アニーの”足首潰し”。
アニーが木づちを大きく振り上げる姿が怖いですよね。トラウマ級。
原作は潰すどころか切断です…
シェルダンが部屋から何度も抜け出したことを知ったアニーは、おしおき(あしなえ)としてシェルダンの左足首を斧で叩き切ります。
そして傷口から大量に流れる血を止めるために、切断された部分を火で焼くんです。
切断はそれだけにとどまらず、しばらく後にも、アニーの要求を聞かなかったシェルダンの親指を、容赦なく電動ナイフで切断。
キングの小説は描写が細かいので、読んでいると自分まで同じ目に遭っているような気がして気分が悪くなります…そこがいいんですけれど(笑)
原作の方が怖いし、アニーの鬼畜の所業に震えますが、映画のアニーでも十分怖いし、変な言い方ですが、好感が持てます。
アニーの家はこぎれいで、室内は整頓されてるし、シーツなども清潔。
殺人鬼の住む家に見えないところが逆に不気味でいいですよね。
家の様子から、アニーが普段はどこにでもいる普通のおばさんとして静かに暮らしている様子がよくわかります。
彼女が表情や態度を変えるところが怖いので、雰囲気のいい家の様子がかえって彼女の狂気を強く印象づけますね。
YOU DID IT! YOU DID IT! YOU DID IT! YOU MURDERED MY MISERY!
キャシー・ベイツ
キャシー・ベイツのアニー役は、まさにはまり役です。
この役でキャシーはアカデミー主演女優賞を受賞しました(*^^*)
アカデミー賞授賞式のスピーチで、「ジェームズ・カーンの足首には申し訳ないことをした」と冗談まじりに話したとか(笑)
キャシーはキング原作の「ドロレス・クレイボーン」を映画化した『黙秘』にも出演しています。
スリラーやホラー映画ではなく、悲しい物語でした。
キャシー・ベイツは「アメリカン・ホラー・ストーリー」にも出演してます
>【アメリカン・ホラー・ストーリー:ロアノーク】キャシー・ベイツが怖い…