Netflixマレーシア映画【それぞれの正義】不法移民の問題と警察の闇

Netflix『それぞれの正義』。クアラルンプールで働く不法移民。移民を利用して稼ぐ事業主。事業主から賄賂を巻き上げる警官。マレーシアの社会問題を浮き彫りにする『それぞれの正義』。ストーリー、登場人物/キャスト紹介、ネタバレあり感想です。

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Netflix『それぞれの正義』紹介!

カモコです(^▽^)o

12月1日新着の、Netflix映画『それぞれの正義を見ました。

マレーシアの映画はこの映画が初めてだと思います。

深く考えさせられる映画でした。面白かったです。

『それぞれの正義』のご紹介と感想です。ネタバレあり。

『それぞれの正義』作品情報

クアラルンプール。搾取に苦しむ外国人労働者が故郷への逃亡を試みる中、理想に燃える警官は正義を貫こうとする。だが待ち受けるのはあまりに大きな代償…。 Netflix

予告動画

基本情報

●原題:Crossroads: One Two Jaga
●監督:ナムロン
●脚本:ナムロン、ピット・ハニフ、ムハマッド・シャフィク、アムリ・ロハイェット、アヤム・ファリッド
●ジャンル:ドラマ
●上映時間:153分
●製作国:マレーシア
●マレーシア公開日:2018年9月6日
●Netflix配信開始日:2018年12月1日

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登場人物/キャスト

◆スギマン(アリオ・バイユー)

インドネシアからの移民。妹をインドネシアに帰すため奔走する。

◆スミアティ(アスマラ・アビゲイル)

雇用契約以外の仕事をさせられるのが嫌になり、兄の元へ逃げて来たスギマンの妹。

◆ジョコ(Izuan Fitri)

スギマンの息子。アディになついている。

◆フセイン(ザヒリル・アジム)

新人の刑事。不法移民や犯罪を厳しく取り締まろうとする。

◆ハッサン(ロスティーン・スボー)

賄賂をもらって犯罪者を見逃している汚職警官。フセインとコンビを組む。

◆サリップ(Azman Hassan)

スギマンの雇い主。スミアティがインドネシアに帰れるよう手を貸す。

◆アディ(アメルル・アフェンディ)

サリップの息子。ハッサンの取締りに食ってかかる。

◆リコ(ティモシー・カスティーリョ)

フィリピンからの不法移民。警察の賄賂をくすねる。

◆ダトゥク(ナムロン)

リコのボス。警察に毎月1万の賄賂を渡している。

◆ジェームズ(チュー・キン・ワー)

ダトゥクに金を要求するハッサンの上司。

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ストーリー:クアラルンプールの不法移民と犯罪を野放しにする汚職警官たち

© Netflix One Two Jaga Official Trailerより

顔全体にいくつもの生々しい傷を負った男が尋問されている。「死んだ少年を撃ったのはあなたの銃でしょう?」と聞かれ、男は顔を上げる。そして「何も知らない」と話すー。

スギマンは「インドネシアに帰りたい」と言う妹・スミアティのために、雇い主のサリップに相談する。サリップの質問に、スミアティが「泳げる」と答えると、サリップは1,000で逃亡の手伝いを引き受ける。そしてスギマンに、妹を人目につかない所に泊めるよう、そして警察に捕まらないようにとアドバイスする。

その後スギマンは、小さな安宿にスミアティを連れて行く。「ジョコを学校に通わせるためにも一緒にインドネシアに帰りましょう」とスミアティは説得する。

その隣の部屋で、リコが金を数えている。身内が入院したため、金が必要なのだ。そうしている間に、リコの友人は男たちに捕まり「金はどこだ!」と痛めつけられる。

警察署では、新入りの刑事・フセインが廊下に貼りだされた犯罪リストを眺めている。クアラルンプールでは、レイプ、ゆすり、強盗など各種犯罪が多発している。

その頃、スギマンの息子・ジョコは、サリップの息子・アディと共に草木が鬱蒼とした山の中にいた。二人はトラックから遺体を下ろす。遺体はロヒンギャの不法労働者だ。アディはまるでゴミの焼却でもするように、遺体に油をかけ、火を放った。

フセインは先輩のハッサンと共に町の見回りに出る。車で町を流していると、ハッサンが息子の学校から呼び出しを受ける。息子を送るため自宅に戻ったハッサンは、妻から、親戚の集まりの為に3,000必要だと相談を受ける。ハッサンは金を用意することに渋々承知する。

再び車で町に出たフセインとハッサン。フセインは通りがかりの建設会社が怪しいと感じ、敷地に入る。そこはサリップの会社だった。不法労働者たちを取り締まろうとするフセインに、アディが突っかかる。そこへサリップが現れ、「彼らに問題はない。信じられないならここへ電話してください」と携帯を差し出す。その時ハッサンが割って入り、フセインをなだめながら車に乗せた。

フセインは、先ほどサリップが示した電話番号を控えておいた。

…続きは本編でお楽しみください(^-^)

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『それぞれの正義』感想:違法とわかっていても(ネタバレあり)

以下、ネタバレを含みます

『それぞれの正義』、いい映画でした。

マレーシアの社会問題を鋭く描き出していますね。これはドキュメンタリーじゃないけれど、それに近いと感じました。

公益財団法人国際労働財団の情報をもとにすると、2015年の時点で、マレーシアで働く労働者は1430万人。そのうちの670万人が「外国人労働者」だそうです。しかし、その670万人の中で、正式な労働許可証を持っているのは210万人程度とのこと。そうすると、不法移民は400万人くらいいることになります。

不法移民たちは、この映画の中の、スミアティのように、インドネシアから来ていたり、リコのようにフィリピンから来ていたり、アディが燃やした遺体のように、ミャンマーから来ていたりするそうです。都会で働いて、国の家族に仕送りしようと貧しい国から移ってくるんですね…

ジョホールバルで見た掃き溜め

不法移民たちが住んでいる地域は、ひどい環境だそうです。それを聞いて、昔旅行でマレーシアに行った時のことを思い出しました。

10年くらい前ですが、ジョホールバル(シンガポールに一番近いマレーシアの都市)に日帰りで行ったことがあるんです。シンガポールから列車で行ってみたんですが、駅を出たら、道も町も荒れていて、いかにも”貧しい国”という感じで驚きました。しかし、そんな中に、高級ブランド品を並べるショッピングモールがあるんですよね。富裕層向けの。

そんなショッピングモールで数時間を過ごして、シンガポールへ戻るために、駅までタクシーで移動したんですが、途中で、ひどい道路を見かけました。

「これが”掃き溜め”なのか…」とぼんやりと思いました。

シンガポール旅行のついでに、興味本位でマレーシアにも行ってみようと、ジョホールバルに足を伸ばした訳ですが、あのひどい道路を見たことが思い出です。

汚い道路でした。細い、歩道のようなところでしたが、道全体に吐しゃ物が撒き散らされたかのようでした…

そんな光景を見れば、人がそこから抜け出したいと思う気持ち、違法と知りながらも家族のために不法移民となり、不法労働して稼ごうとする気持ちはわからなくもありません。不法移民となるしか方法がない彼らの事情がわからなくもありません。

今のジョホールバルは、都市開発計画が進んでいるそうなので、もうそんな光景は見れないのかもしれません。

泳げるか?

サリップが、インドネシアに帰りたいと言うスミアティに「泳げるか?」と質問するシーンは印象に残りました。

マレーシアから船でひっそりと脱出するんでしょうけれど、「泳げるか?」と聞くのは、”泳ぐ可能性があるから”なのか、”泳がなければならないから”なのか…どこからどこまで、どのくらい泳がなければならないのでしょうか。暗い夜の海の中を震えて泳ぎながら帰るのでしょうか…

不法移民のスミアティ。クアラルンプールに来る時は、どうやって来たのでしょうか…

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ロヒンギャ

この映画で一番印象に残るシーンは、アディがジョコに手伝わせて、ロヒンギャの労働者の遺体を焼くシーンでしょうね。

ミャンマーの奥地に住み、虐げられた歴史を持つロヒンギャ。アディが言うように、住んでいるマレーシアから国民として認められていません。

遺体を焼くなんて酷すぎる、と思うところですが、アディが言うように、返しようがないんですよね。不法移民というだけでなく、遺体を送る術がない。

私はタイに数年滞在し、そこでたくさんのミャンマー人を見ました。彼らが不法移民だったかどうかまではわかりませんでしたが、ミャンマー人は、肉体労働の仕事をしていました。道路工事やゴミの収集などです。私が住んでいた地域には、ガソリンスタンドが多くあったのですが、ガソリンスタンドで働いているのは、ほとんどミャンマー人だよ、と教えてもらいました。

きっとわずかな賃金なのでしょう…搾取されたとしても、自国にいるよりマシだなんて。悲しいですね。。

REUTERSの「特別リポート:売られる花嫁、ロヒンギャの少女を取り巻く現実」は、ロヒンギャの過酷で残酷な現実をレポートしてます。

虚しい現実

© Netflix One Two Jaga Official Trailerより

スギマンは不法移民ではなく、正規の労働許可証を持っています。きっとスギマンは真面目な人なんでしょう。仕事も一生懸命です。それなのに、家族を守るために人を撃たなければならなくなり、結果的に自分の息子が犠牲になってしまいました。毎日を必死で生きてきた結果がそんな悲劇だなんて。辛すぎます。。

この映画の登場人物たちは、賄賂、暴力、違法行為に関わっています。

スギマンは妹をインドネシアに帰すため、警官に賄賂を払おうとしました。リコは家族の入院費のため賄賂をくすねました。ハッサンは妻の為に市民から賄賂を巻き上げました。アディは輸送して返しようがない遺体を焼きました。サリップは仕事が必要な不法移民たちを雇いました。

警官のフセインは、そんな違法な行いを許せず、取り締まろうとしました。自分の信念に基づいて正義を遂行しようとしましたが、その結果、子供が犠牲になってしまいました。

しかも、正義の最大の敵は、署内の上司でした。町を良くして、人の暮らしを守るはずの警察署内は汚職警官だらけ。警察は何のためにあるのか…誰のためにあるのか。

ラスト、上司が諸悪の根源だと知ったフセインの表情が、クアラルンプールの虚しい現実を映しているようでした。

(あの上司は警察署長だったんでしょうか…そこのところがよくわかりませんでした)

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『それぞれの正義』感想まとめ

映画を見終わった後、とっても虚しい気持ちになりました。。

クアラルンプールで違法に働く不法移民、彼らを利用する事業主。悪事を働く市民から賄賂を受け取り取り締まろうとしない警官。

悲しいストーリーで気持ちが重たくなりました。

登場人物たちが、それぞれの家族を大事に思っていることだけが救いです。

見たら辛くなるけれど、いい映画でした。

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