SF映画【ソイレント・グリーン】生きるべきか、死すべきか。殺すべきか。

SF/ファンタジー

チャールトン・ヘストン主演、ショッキングなSF映画「ソイレント・グリーン」近未来、人類は食糧危機を迎えるだろうか?その時人は「何を」食べるのだろうか…あらすじ、キャスト紹介とネタバレ感想&考察。

 

カモコです(^▽^)o

今回は、クラシックSF映画の名作『ソイレント・グリーン』をご紹介します。

主演は、チャールトン・ヘストンです。

1973年当時に、この映画を見た人たちが想像したであろう2019年が悲しいです。

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作品情報

 

ジャンル:SF、スリラー
原題:Soylent Green
監督:リチャード・フライシャー
時間:97分
製作国:アメリカ
アメリカ公開日:1973年5月9日
日本公開日:1973年6月9日

 

「ソイレント・グリーン」あらすじ

 

2022年のニューヨーク。深刻な食糧危機にさらされた世界。社会は特権階級と貧民に分かれ、まともな食事は特権階級の者しか口にすることができない。寝る場所すらない貧民は、配給される合成食品を食べてなんとか生き延びている。

ある日特権階級の男が何者かに殺害され、殺人課のソーン刑事が捜査をすることに。現場は強盗の仕業にみせかけられていたが、高額な品物は何も盗まれていなかった。

殺された男が、合成食品を生産するソイレント社の取締役だと知ったソーンは、同居人で本の専門家ソルに、男と会社のことを詳しく調査して欲しいと依頼する。

事件は強盗事件として処理されそうになるが、裏に何かあると確信したソーンは捜査を進める。

そして、ソルとソーンは事件の裏に隠された怖ろしい真実を知ることになるー。

 

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「ソイレント・グリーン」登場人物

 

ソーンチャールトン・ヘストン

ソルエドワード・G・ロビンソン

サイモンソンジョゼフ・コットン

タブチャック・コナーズ

シェリルリー・テイラー=ヤング

 

「ソイレント・グリーン」感想と考察(ネタバレあり)

以下の感想にはネタバレが含まれています。

 

2022年に食料危機…!

あと3年ですね(>_<)

 

まあ今のところ、3年後にこの映画のような状態になるとまで心配せずとも良さそうです。

 

しかし、近年の異常気象を考慮すれば、ある日何か大変なことが起こり、それが原因で深刻な食糧不足になるーという可能性はないわけではないですね。

 

今の私たちは、何か食べる物が必要なら、スーパーに行って買えばいいんです。でも、その食品は元をたどれば海や山(地上含む)で収穫されています。一部は人工的に生産されていますが、大部分は自然界の力あってこそです。

 

私たちが一番大事にしなければならない自然界を、大気汚染、海洋汚染、土壌汚染などで壊してしまっています。悲しいことです。このまま自然破壊が進めば、人間はいつかしっぺ返しを喰らうかもしれません。

 

「ソイレント・グリーン」以外にも、自然破壊による人類の危機をテーマにしたSF映画・ドラマがたくさんありますね…そんな映画は未来を予言しているんでしょうか…。時々じっと考えに耽ってしまいます。

 

「ソイレント・グリーン」の地球は、環境破壊のせいで深刻な食糧危機に陥っています。そして、食料不足なのに、人口は爆発的に増加してるんです。そんな状態、空想するだけでも怖ろしいですね(;´・ω・)

 

この映画の原作は、ハリイ・ハリスンの「人間がいっぱい」。

原作のタイトル通り、映画の中には人がいっぱい。道端にも建物の通路や階段にも、どこもかしこも人・人・人。地べたに、床に、所狭しと転がっている人々はみなどん底の貧乏で、まともな食料など買えやしません。

そんな貧民たちが食べているのは、政府が配給するソイレント社の人工固形食です。「ソイレント・グリーン」「ソイレント・イエロー」「ソイレント・クラム(屑)」「ソイレント・ブレッド」など、見るからに栄養価の低そうな、明らかにまずそうな固形食なんです。

固形食をもらうため、人々は列を作ります。しかし、いつも配給数が足らず、貧民は不平を漏らします。不満が大きくなり、爆発すると暴動化したりします。

 

この「人工固形食すら足りない」というのが、この映画の秘密を解く鍵。

 

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リッチだと”家具”つき

 

さて、哀れな貧民がいれば、超リッチな人々もいます。

高級アパートに住み、水も使い放題、衣料にも家電にも困っていない。そしてもちろん食料もたくさん食べられる。貧民が夢にまで見る、肉や野菜や果物を食べる。酒まで持ってる。

 

特権階級の人たちがどれほど恵まれているかを表すために、面白い設定がなされています。

なんと、高級アパートには「家具」と呼ばれる若い女性がいるのです。

部屋を借りると、一人の「家具(女性)」がついてきて、家政婦のように住人の世話をします。家事だけでなく、借主を楽しませるのも、彼女たちの仕事らしいです。

彼女たちを管理しているのは家主で、まるで物のように扱われるのです…奴隷と変わりませんね。

 

殺人事件発生

 

主人公のソーンは、殺人課の刑事ですが、暮らしはホームレスより少しだけましという程度。食物は、やはりソイレント社の人工固形食です。

 

ソーンはソイレント社のCEOであるサイモンソンの殺人事件を担当します。サイモンソンは自宅で殺害されていました。

ソーンが現場へ行くと、そこにはボディガードのタブと、”家具”のシェリルがいて、二人ともなぜサイモンソンが殺されたのかわからないと言います。

 

初めてソーンがシェリルに会うシーンで、ソーンが「君は家具か?」と聞くので驚きました。「え?何を言ってるの??」と呆気にとられていると、その意味が後でわかるのです。

若い美人ばかりを「家具」として部屋に置く不動産業者…「me too」の今だったら大炎上間違いなしですね…(-_-)

 

タブはソーンに殺人には関与していないと言いますが、映画冒頭でタブがサイモンソンを殺すシーンがあるので、タブが犯人だということは明白。残る謎は、なぜ彼は雇い主を殺したのか。

 

ソーンはすぐにタブが怪しいと睨み、タブを調べ始めます。そしてその間に、同居人のソルに、サイモンソンの調査を依頼します。老人ソルは書物の専門家。早速図書館へ出向いて過去の文献を調べます。

…残念ながら、グーグルは存在しない2022年です(^-^;)

 

ソルの決断

 

ソルは、調査を進めるうちにソイレント社の怖ろしい秘密を知ってしまいます。そして死んだサイモンソンの苦悩をも理解したソルは、なんと自ら死を選択します。

 

ソーンに書き置きを残したソルが向かった先は、安楽死施設「ホーム」。ソルが書類に記入すると、係員がソルを個室に案内します。

この後のソルの安楽死のシーンはとても印象的です。

室内にソルが選んだオレンジの照明が当てられ、ベッドの前の巨大スクリーンには美しい大自然が映し出されます。スピーカーから流れる曲は、ベートーヴェンの「田園」。人類が失ってしまった美しい自然と、実り豊かな情景を思わせる「田園」に、ソルは心も体も包まれるのです。

荒廃した世界に住むソルにとって、昔の大自然は天国そのもの。それは自ら死にゆく人々に「ホーム」が提供するせめてもの情けなのでしょう。

 

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ソーンの追跡調査と驚愕の事実

 

ソルが死ぬ間際に会う事ができたソーンは、「配給所を調べろ」というソルの最後のメッセージを受け取ります。ソルの遺体を運ぶトラックに飛び乗ったソーンは、ホームの遺体が「廃棄物処理場」に運ばれることを知ります。

トラックを飛び降りたソーンは、処理場の施設の中へ潜入。

まるでゴミでも捨てるかのように、次々と現れるトラックが遺体を大きな水槽の中に落としていく光景を目にします。

その後、施設の奥へとさらに進んだソーンは、信じたくない、おぞましい事実を知ります。

 

遺体が投げ込まれた水槽から抽出されたものは、パイプを通って奥へ運ばれ、加工されて「ソイレント・グリーン」に。

 

貧民が奪い合って食べているもの、それは「人間」だったのです…

 

2019年の今となっては、「ソイレント・グリーン」のような展開となる映画、小説、マンガが大量に制作され、もう驚愕するほどではありません。

しかし、1973年当時に、この映画を見た世界中の人々が、あまりのおぞましさに驚愕し、身震いしたでしょう。近未来である2022年を想像し、もしかしたら「ソイレント・グリーン」のようなストーリーが現実になるかもしれないと考え、背筋が寒くなったと思います。

 

73年の映画を2019年に見ると、映像はリアルな描写から程遠く、血糊はまるでペンキです。

しかし、古いビジュアルがかえって怖ろしく見える時があります。コンピュータ処理されていない映像は、逆にリアルです。ゴミを運搬するトラックと同じ形の車両が、白い布で包まれた人間を水槽にぼとぼとと落としていく。処理施設は、どこにでもある工場のような作りです。

いかにも「未来」というような、無数の光輝くパネルや、光沢を帯びた白い壁などありません。

現実的な施設に大量の遺体が投げ込まれ、現実的な機械の中で加工されるのです…

 

映画は、ソイレント社の手の者に撃たれたソーンが、人々にソイレント・グリーンの秘密を訴えるシーンで終わります。

その後、ソイレント社がどうなるのか…これも想像すると怖ろしい…

 

2択のどちらにする?

 

あなたが「ソイレント・グリーン」の世界の貧民だとして、ソイレント社の秘密を知ってしまったら、どちらを選びますか?

 

(1)ソイレント・グリーンを食べて生き延びる

(2)人間を食べるくらいなら死を選ぶ

 

(2)は、ソルが選んだ選択肢ですね。食人行為をするというタブーをおかしてまで生きたくはない、という決断です。ソルの場合は、過去に人間(ソイレント・グリーン)を食べてしまったという事実への贖罪でもあります。

社会が荒廃し、絶望的な未来しかなくても、人間の倫理に反することができない人なら、死を選ぶのかもしれません。

 

(1)を選ぶ人は、「生き延びるためには食べるしかない!」と決意するわけです。

泣く泣くソイレント・グリーンを食べる…何があっても生き延びるという本能的な行動を責めることはできないと思います。

しかし。

ソイレント・グリーンの量には限界があります。

既に作り出されたものを食べるのは仕方ないとして、その後、ソイレント・グリーンを作るために人を殺せるでしょうか…

この選択は難しいと思います。人間の良心に反します。

 

ソイレント・グリーン以外の食べ物を開発するというのが最善策ですが、自然は破壊されてしまい、原料になるものがないのです。

 

究極の選択ですね。

 

「ソイレント・グリーン」と類似の展開がある作品

 

★クリス・エヴァンス主演のSF映画『スノーピアサー

こちらも貧民が知らずにおぞましいものを食べさせられてます。

ラスト間際のカーティス(クリス・エヴァンス)の告白が胸に突き刺さります。

 

★田村由美のマンガ『7SEEDS 10巻』。


食人ではないんですが…

地球に大異変が起こり、生き残った人々が、食糧危機を目前に決断したこととは。

「龍宮」のエピソードには驚愕の展開が詰まってます。読み応えあり(^-^)

 

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「ソイレント・グリーン」監督・キャスト

 

監督:リチャード・フライシャー

 

「ソイレント・グリーン」の監督は、「ミクロ決死圏」や「トラ・トラ・トラ!」で有名な、リチャード・フライシャー。

「ミクロ決死圏」と言えばラクエル・ウェルチ、ラクエル・ウェルチと言えば「ショーシャンクの空に」…という程度しか知らない私ですが、フライシャー監督の「レッド・ソニア」は昔テレビ放送で何度も見ました。


2006年に89歳でお亡くなりになったんですね。

 

主演:チャールトン・ヘストン

 

チャールトン・ヘストンと言えば、「ベン・ハー」!!!

 

「ベン・ハー」、大好きで、何度も何度も何度も見ました!!何度見ても絶対に飽きることはないし、ますます面白くなっていきます。

チャールトン・ヘストンは、他に「十戒」「ジュリアス・シーザー」「エアポート’75」など、たくさんの名作に主演しています。

若い人でも、オリジナルの「猿の惑星」の主役と言えばおわかりかと思います。マーク・ウォールバーグ版の「PLANET OF THE APES/猿の惑星」にも出演しています。

 

チャールズ役、レナード・ストーン

 

シェリルたち”家具”を乱暴に扱う不動産屋を演じたのは、レナード・ストーン。

「夢のチョコレート工場」でサムを演じた俳優です。「M*A*S*H」にも出演してますね。

 

まとめ


「ソイレント・グリーン」は、映画が上映された当時の人たちが想像を膨らませた、「未来の2022年」。

2019年の今、さすがに人間がタブーを越えなければならないほどまでに環境問題は大きくなっていません。

しかし、楽観はできませんね。地球温暖化が進み、自然界が修復不可能なほどに破壊されれば、いつかは「ソイレント・グリーン」のような世界にならないとも限らないのです。

 

1973年に警鐘を鳴らされたのに、環境破壊が進んでしまうとは皮肉なことですね。

 

イーサン・ホーク主演の「魂のゆくえ」も環境破壊がテーマのひとつなんです。こちらも衝撃的な映画です。まだ見ていない方、ぜひ「魂のゆくえ」もご覧ください。おすすめです。

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