【聖なる鹿殺し】原因不明の麻痺は呪いなのか?不安と恐怖に身がすくむー映画ネタバレ感想

ホラー/スリラー

2018年必見のスリラー!逃げることも否定することも封じられた医師は究極の選択を迫られる。ヨルゴス・ランティモス監督の『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』ー冷や汗をかくような不安と恐怖に襲われる。『聖なる鹿殺し』のキャスト紹介と感想です。ネタバレあり。

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カモコです(^▽^)o

昨年カンヌ国際映画祭で話題になった時から見たかった『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』を見ました!とても興味深い映画でした!

 

基本情報

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』

心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティーブンには、もう一人、時どき会っている少年マーティンがいた。マーティンの父はすでに亡くなっており、スティーブンは彼に腕時計をプレゼントしたりと何かと気にかけてやっていた。しかし、マーティンを家に招き入れ家族に紹介したときから、奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、這って移動するようになる。家族に一体何が起こったのか?そしてスティーブンはついに容赦ない究極の選択を迫られる・・・。公式サイトより引用

 

 

原題:The Killing of a Sacred Deer
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:ヨルゴス・ランティモス、エフティミス・フィリップ
ジャンル:ミステリー、ダーク・コメディ
上映時間:121分
製作国:アメリカ、イギリス、アイルランド
アメリカ公開日:2017年10月20日
日本公開日:2018年3月3日

 

登場人物

 

◆スティーブン(コリン・ファレル)

心臓外科医。マーティンの父を担当した。

 

◆マーティン(バリー・コーガン)

スティーブンに懐く青年。母と二人暮し。

 

◆アナ(ニコール・キッドマン)

スティーブンの妻。眼科医。

 

◆キム(ラフィー・キャシディ)

スティーブンの長女。聖歌隊に所属している。

 

◆ボブ(サニー・スリッチ)

スティーブンの長男。キムの弟。

 

◆マシュー(ビル・キャンプ)

麻酔科医。スティーブンの同僚。

◆マーティンの母(アリシア・シルヴァーストーン)

スティーブンに気がある。

 

 

感想(ネタバレあり)

 

※この部分にはネタバレがあります。ラストにも触れています

 

マーティン

 

全てが謎に包まれた青年、マーティン。

 

呪い

 

They will all get sick and die. Bob will die, Kim will die, your wife will die, understand?

 

1.手足の麻痺

2. 食事の拒否

3. 目から出血

4. 死

 

マーティンが呪いをかけたと、ハッキリと表現しているシーンはありませんが、彼が呪いをかけたとしか考えられないように思います。

 

病院にいるキムがベッドから窓辺まで歩けたのは、マーティンと電話で話している時だけでした。

 

フェアかどうかはわからない。でも正義に近づいている」というセリフからも、やはりマーティンが何かしたせいだと考えられますよね…

 

マーティンがどうやったのか、なぜ彼にそんな力があるのか?という疑問が出てきますが、その辺りは”各人の想像に任せる”というスタイルでしょう。

 

『ロブスター』の時も、どうやって人を動物にするのか説明なかったし。

 

ランティモス監督作品は、そういうところが面白いと思います(^-^)

 

目から罪を流す子

 

手足が麻痺して動けなくなる上に、何も食べなければ、人は死にます。

 

1と2は殺すためですが、3は、血を流すことで死に至らしめるのではなく、贖罪として目から血を流させたのだろうと思いました。

 

それをスティーブンへの脅しとして使ったのでしょう。

 

目から血が流れるだけでも怖ろしいのに、我が子が自分の罪を目から流す姿を見れば、親としても激しく動揺しますよね。。

 

パスタは動機では

 

マーティンがパスタを食べている時に、

「父の食べ方と同じだと思ったら、みんなも同じように食べていた」というようなセリフがあります。

 

これが彼の動機じゃないかと思いました。

 

マーティンは父親が大好きで、仲が良かったのでしょう。

 

父親と同じ行動をとることで、自分の中に父を感じ、そっくり同じだということにプライドを持っていた。

だけど、それは特別じゃなかった。誰でも同じだった。

 

そう気づいた時に、自分の中に感じた父親が消え去り、心の中は空洞になってしまった。

 

一度ならず二度も父を亡くしたことで、マーティンの中に復讐心が芽生えたのではないかと思いました。

 

マーティンの望み

 

殺したいほど憎んでも、親切にしてくれたスティーブンが嫌いだった訳じゃないんでしょうね。

 

もし母親と上手くいって、父親の代わりになってくれたら、それでも良かったのかもしれません。

 

もしくは、そこまでの愛情をスティーブンに感じていなくても、誰でもいいから父親の代わりが欲しかったのかも。

 

心細く暮らす母親のことも大事に思ってるんでしょうね。。

 

スティーブン

 

後ろめたさを感じるスティーブンのあの態度…

 

スティーブンの罪

 

If you had to choose between them, which would you said is the best?

 

酒に酔っていたためにマーティンの父親の手術に失敗したのは明らかで、本人もそれとなく認めてます。

その罪を隠ぺいしたせいで、怯えて、罪悪感を感じ、マーティンに親切にしていたんですね。。

 

白き手のダメ男

 

スティーブン…この人、ホントにダメ男ですよね。

臆病で優柔不断。

 

病院で寝ているボブに無理やりドーナツ食べさせようとしたり、「歩け!」と無理に歩かせたり。

良くなってないのに「回復している」と言い張ったり。

 

他の医師を責めたり。

 

学校に行き、「どちらが優秀か?」と尋ねたり。

 

マッシュポテトを明日お願い?…奥さんじゃなくてもキレますよ(=_=)

 

心の中で二つの声が響く

 

自分の罪に怯えて家族や他人に当たり散らす、嫌なヤツ(=_=)

 

ボブが歩けなくてバタっと倒れても、また持ち上げる。床にバタリと息子が倒れても、怪我しなかったか気にもしない。

 

心の中で「俺のせいだ」と「俺のせいじゃない」の二つの声が張り合ってるんじゃないでしょうか。

 

ハンドガンを使えばいいのでは…

 

クライマックス、地下室でライフルを持ったスティーブンが目隠ししてぐるぐる回りますが…

 

ハンドガンを使えばよかったんじゃないのかなー(=_=)

 

弾倉に1発だけ入れて、ロシアンルーレットみたいにすれば、ぐるぐる回ってあちこち撃ちまくる必要がなかったように思うのですが。

 

ぐるぐる回れば焦点が定まりません…しかも距離が近い!

 

ハンドガンなんて無理か

 

誰かひとりを(選べなくても)殺すのであれば、殺すと決めたのであれば、ハンドガンで狙う方が確実で早く済みます。

 

ライフルを持ちだして、自分も頭を覆って、ぐるぐる回ったのは、やはり臆病だからでしょう。

 

「俺が狙って撃ったせいで死んだんじゃない」と思いたかったんじゃないかな。

 

問題から目をそらし、すぐに逃げるスティーブンは、”白くて清潔な手”をしている。

 

 

これはコメディなのか?!

 

昨年、カンヌ国際映画祭でこの映画についてインタビューを受けたニコールが

「監督は”これはコメディ”だ!と主張するんだけど、みんな現場で「…」という感じで…」

と語ったというようなインタビュー記事を読みました(^^;)

 

「この映画を”コメディ”としてどう演じたらいいか、まったくわからないんだけど」とニコールが笑いながらメディアに語ったそうです。

 

ダーク・コメディといえばそうだけど…全体的にはコメディではないような…

 

ロブスター』はコメディだと思いましたが…この映画は???

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『ロブスター』面白いです!おすすめです!

 

邦題を「聖なる鹿殺し」としたのはいいんですが、「キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」とカタカナつけたのはコメディですよね(-_-;)?

 

アナの心変わりがコメディ?

 

見た人のほとんどが疑問に思う…なぜ奥さんはあんなにコロコロと態度を変えるのか。

 

旦那を責めたかと思えば、殺すのは子供にしようと言ったり。

 

子供のために涙を流したかと思えば、キムの腕首を強くつかんで「逆らうからよ」とキツく言ったり。

 

地下に行くのに「黒いドレスを着ようかしら」と言ったり。

 

奥さんの気持ちや行動は不可解です…

 

それで思ったんですが、それがランティモス監督なりの「コメディ」の部分じゃないでしょうか?

 

私たちが「???」と感じるところが、実は笑うとこなのでは(;・∀・)?

 

ギリシャ神話がベース?

 

『聖なる鹿殺し』は、『アウリスのイピゲネイア』がベースになっていると、各メディア、各ブログなどなどに記載されているようですが…私はそこまでギリシャ神話にこだわる必要はないように思いました。

 

ベースであると言われる神話は、女神アルテミスの鹿を殺した代償として、アガメムノンが娘のイピゲネイアを犠牲にしなければならなくなる、というストーリー(実際はもっと複雑なようです)です。

 

映画のタイトルにある「鹿」と「代償に我が子の命を」というところは神話と同じです。アガメムノンをスティーブンに置き換えることは容易ですが、マーティンはアルテミスとは程遠いんですよね。アルテミスは意地悪はしましたが呪いをかけたわけではないです…アガメムノンには息子と娘がいて、差し出したのは娘の方…これも違いますね。

 

ギリシャ人のランティモス監督は、身近なギリシャ神話からインスピレーションを得たかもしれません。もしかしたら神話の特定の部分だけ取り入れてみようとしたのかもしれません。

 

ですが、”神話がベースになっている”というのはちょっと違うように思いました。

 

(私が個人的に思っただけですよ。神話に詳しくないので、もしかしたら一致しているところがもっとあるのかも)

 

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監督の思惑通り…

ネタバレなしです

 

こちら↓はランティモス監督のインタビュー記事です。

“Me, personally, what I want is to allow people to be engaged actively in watching the film,” he says. “I like to construct films in a way that makes you feel a bit uncomfortable, [but so you’ll still] be able to enjoy them, be intrigued [and] start to think about the meaning of things – and hopefully by the end of it, you’ll have some strong desire to keep thinking about them.”  - INDEPENDENT

 

観客が不快に感じるけれど、それでも楽しめるという映画を作りたいようですね。

 

映画を見た後に色々と考えを巡らせるような映画が撮りたいそうですが…

 

ランティモス監督の作品を見た人全員が監督の思うツボにはまってますよね(^-^)

 

監督が望む通り、ランティモス監督の作品を見た私たちは、それぞれに物語の意味を考え、映画の細部について研究し、また深く考えにはまっていくのです…こういう仕掛けのある映画は大好きですね。

 

ランティモス監督の次の作品は、エマ・ストーンが出演する『女王陛下のお気に入り』です。

 

『聖なる鹿殺し』にはいろいろ考えさせられました。

 

ランティモス監督の罠にバッチリハマりました(笑)

 

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気になるキャスト3人の次回作は?

 

バリー・コーガン

 

不気味なマーティンを演じた、バリー・コーガンくん。

『ダンケルク』を見る前に『聖なる鹿殺し』のオリジナル予告動画を見たのですが、すっかりバリーくんに魅了されました!

予告動画だけでもすごい存在感!この子の今後の出演作は?とチェックしたら『ダンケルク』だったんです。

 

バリーくんは一見素朴な感じですが、彼の中の”芯”が光を放ちますよね~

才能あふれる若手俳優です!期待大!!

 

そんなバリーくんの新作は、2018年9月に全英公開される『American Animals』。

大学生4人が、大学の図書館から国宝級の書物を盗み出したという、実話ベースのドラマです。

これは面白そうなんですよ!日本公開が待ち遠しい!

 

サニー・スリッチ

 

ボブを演じたサニー・スリッチくん。次の作品は『Mid90s』。

これ、ジョナ・ヒルが監督と脚本を務めた作品なんですよ。共演は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジス

90年代を舞台したドラマで、サニーくん演じるスティーヴィーが主役です!

面白そうですよね!2018年10月に全米公開です(^-^)

 

アリシア・シルヴァーストーン

 

アリシア・シルヴァーストーンは、90年代前半にエアロスミスのミュージックビデオ数本に出演。当時のティーンエージャーに大人気でした!

Aerosmith – Crazy

 

アリシア主演の映画『クルーレス』も大ヒットしましたね!

クルーレス (字幕版)
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アリシアは、2018年5月に全米公開された、ダイアン・キートン主演の『Book Club』に出演してます。日本で公開されるのが楽しみです(^-^)

 

『聖なる鹿殺し』Amazonプライムビデオで有料レンタルできます。

不気味な映画を見たい人におすすめです(^^;)

 

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